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慢性腎臓病とは

このページでは、慢性腎臓病とは何かについて調べています。

慢性腎臓病の定義とステージ

腎臓の機能低下に関しては、さまざまな呼称があるため混乱が招かれがちです。では慢性腎臓病とは一体どのような状態を指しているのでしょうか。

慢性腎臓病(CKD)

腎機能が低下し『腎不全』の状態が3ヶ月以上持続している場合と、定義されます。

慢性腎臓病と診断された場合、心筋梗塞など、心臓の血管に関する病気と合併の頻度も高まります。

自覚症状に乏しいため、健康診断などの検査により発覚することが多いようです。

健康診断においては、尿検査と血液検査の結果が腎臓機能低下の判断材料となります。

尿内にたんぱく質が多く含まれている、血液内に『クレアチニン』という成分が多く滞留している、という結果が判明すると、慢性腎臓病の可能性が高まります。

とは言えそのステージは全5段階に分類されています。「腎症の兆候は見られるものの、機能はまだ正常」という段階から「完全な腎不全」という段階にまで分かれるのです。

ステージ1~3

生活や食習慣の改善、減量といった方法が指導されるほか、必要に応じて降圧薬が処方されます。いったん低下し始めた腎機能を完全に元に戻すことはできませんが、機能低下が加速しないよう、現状維持に努めるのです。

ステージ4以上

機能低下がかなり進んでいる深刻な状態。心血管イベントの発生率は、ステージ1~2に比べ、20倍以上に跳ね上がっています。ここまで進行してしまうと、透析なども検討せざるを得ない状態となります。

腎臓の機能低下を慢性化させてしまわないためにも、定期的な健康診断や知識の研鑽が求められます。

診断方法

慢性腎臓病の診断は、一般に尿検査、画像診断、血液検査、病理検査、糸球体濾過量の測定などを通じて行います。
糸球体濾過量(GFR)とは、腎臓の糸球体の濾過能力を測る数値のこと。血清クレアチニン(筋肉から生じる老廃物)の濃度や、年齢、性別などに応じて糸球体濾過量(GFR)を測定し、慢性腎臓病の診断材料とします。18歳以上の方であれば、推算糸球体濾過量(eGFR)を測定することが可能です。

慢性腎臓病の重症度分類

2012年、日本腎臓学会は「CKD診療ガイド2012」を作成し、慢性腎臓病のリスクについて詳細かつ客観的に判断する指標を発表しました。それ以前の慢性腎臓病の評価については、GFR区分(ステージによる区分)のみでした。
新たな重症度区分においては、従来のGFR区分に加え、原疾患ごとに各種尿蛋白の項目を追加。それぞれの尿蛋白について「A1」「A2」「A3」と段階分けし、GFR区分と照らし、より詳細に重症度を評価するというものです。

GFRとは?

GFRとは、腎臓の糸球体の濾過量のこと。18歳以上の方であれば、次の計算式でGFRを推算することができます。

糸球体濾過量の推算式

eGFR(ml/分/1.73m2)=194×Cr-1.094×年齢(歳)-0.287

※女性は×0.739
※eGFR=推算糸球体濾過量

この計算式において、推算糸球体濾過量が「60ml/分/1.73m2」よりも小さい値を示し、かつその状態が3ヶ月以上にわたって継続した場合、慢性腎臓病と診断されます。数値が小さければ小さいほど、腎機能が低下していることになります。

なお、この計算式は、あくまでも「推算」です。正確に糸球体濾過量を測定するためには「クリアランス検査」という検査を行わなければなりません。
しかしながら「クリアランス検査」は、検査に先だって、24時間もしくは2時間の尿をためる必要があるため、簡単にできるわけではありません。そこで考案されたのが、推算糸球体濾過量(eGFR)です。膨大なクリアランス検査のデータを基に公式化されました。

急性腎障害との違い

腎臓病は知らぬ間に進行し、慢性化します。徐々に身体を蝕んでいく、サイレント・キラーのような病気です。

しかし同じ腎臓病でも、急激に症状が現れる『急性腎障害』があります。

急性腎障害…数時間~数日のうちに、急激な腎機能低下がみられる腎疾患。

手術や感染症により、腎臓機能が急激に低下すると、急性腎障害が発生しやすくなります。こうしたケースでは腎臓だけでなく、他の臓器も影響を受けている可能性が高め。『多臓器不全』の一部なので、慢性腎臓病とは原因が大きく異なります。

治療法としては慢性腎臓病と同じく、血液/腹膜透析が行われ、経過を見ていくことになるでしょう。

慢性糸球体腎炎の症状・原因

慢性糸球体腎炎とは、腎臓の糸球体という部分に生じる炎症のこと。炎症の原因にはさまざまなものがありますが、原因を問わず、糸球体に生じる炎症を総称して慢性糸球体腎炎と言います。

症状

タンパク尿と血尿を中心に、高血圧、めまい、むくみ、肩こり、頭痛、倦怠感など、さまざまな症状が現れます。

原因

免疫異常や遺伝などが原因と考えられていますが、現状、根本的な原因は不明です。直接的な原因としてはIgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、急速進行型糸球体腎炎などが挙げられますが、これらの症状がなぜ起こるのか、十分には解明されていません。
なお、これらのうちIgA腎症は、慢性糸球体腎炎の原因の約40%を占めると言われ、原因不明の病気として厚労省の指定難病に分類されています。

ネフローゼ症候群の症状・原因

ネフローゼ症候群とは、「尿蛋白1日3.5g以上(定性4+)」と「血中アルブミンの濃度3.0g/dl以下」という2つの判定が同時に現れている状態のこと。特定の病気の名前ではなく、何らかの原因でこれら2つの判定が陽性になった際、その状態を指してネフローゼ症候群と総称します。

症状

食欲不振、倦怠感、むくみ、腹痛、腹部膨張、息切れ、尿量減少など、さまざまな症状が現れます。

原因

ネフローゼ症候群は、「症候群」という名の通り、特定の原因で生じる病気ではありません。慢性糸球体腎症や糖尿病性腎症、膠原病など、さまざまな病気が原因となって生じます。
基本的には食事療法と薬物療法をベースに、患者ごと、原因となる病気に応じた適切な治療を行うこととなります。

腎臓病の各ステージにおける症状

腎臓病の各ステージにおける症状(自覚症状)について確認してみましょう。

G1正常

腎機能が正常な状態、または何らかの障害(タンパク尿など)が確認できるものの障害の程度が軽度な状態です。患者本人における自覚症状はほとんどありません。健康診断で障害が確認された場合には、医療機関を受診しましょう。

G2軽度低下

G1と同じく、腎機能が正常な状態、または何らかの軽度な障害が確認できる状態です。患者における自覚症状はほとんどありません。タンパク尿が「2+」以上の場合には、腎臓専門医の受診が必要となる場合があります。

G3a軽度~中等度低下

初期の慢性腎臓病が疑われる状態です。むくみ、夜間頻尿、貧血、倦怠感などを自覚する人もいます。糖尿病や高血圧などを合併していることもあるので要注意。狭心症や心筋梗塞、脳卒中などのリスクも高まります。

G3b中等度~高度低下

慢性腎臓病が強く疑われる状態です。G3aよりも確実に腎機能が低下しているため、各種の自覚症状はより強めに現れる傾向があります。生活習慣を改めつつ適切な治療を続ければ、それ以上の腎機能低下を防げる可能性があります。

G4高度低下

腎機能が著しく低下している状態です。貧血や尿量減少、高血圧、血中ミネラル濃度の異常、骨の異常など、さまざまな症状を合併している可能性が高いでしょう。腎機能の回復は見込めず、治療目標は「現状維持」となります。

G5末期腎不全

腎臓がほとんど機能していない状態(10%以下)です。すでに、尿毒症と総称される一連の症状を自覚しているでしょう。人工透析、または腎移植を受けなければ、早い段階で生命に関わるリスクが訪れます。

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