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高血圧と腎臓病

高血圧を主な原因とする腎臓病が腎硬化症。ここでは、腎硬化症の原因や症状、治療法について詳しく解説しています。

高血圧と腎臓病の関係

高血圧が心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、動脈硬化などを誘発することは、比較的よく知られています。一方で、高血圧が腎臓にダメージを与えることは、心筋梗塞や脳梗塞ほど十分には知られていません。
高血圧にはいくつかの原因がありますが、その大半は原因不明です。原因不明の高血圧のことを、本態性高血圧と言います。

近年、本態性高血圧の原因は腎臓にあるのではないか、との見解が学会で注目されるようになりました。高血圧のラットから正常血圧のラットに腎移植をすると、高血圧のラットは正常血圧へと落ち着きます。逆に、高血圧のラットから腎移植を受けたラットは、高血圧を生じます。
ヒトにおいても、正常血圧のドナーから生体腎移植を受けた高血圧の腎臓病患者は、移植後、正常血圧になる例が多く見られるようです。

本態性高血圧の原因はまだ研究途上ですが、上記の実験や事例に鑑みると、血圧と腎臓との働きには密接な関係があることが推察されるでしょう。

腎硬化症

いくつかある腎臓病の中でも、特に高血圧を原因として発症しやすいとされるのが腎硬化症。以下、腎硬化症の詳細について確認してみましょう。

腎硬化症の概要

腎硬化症とは、腎臓の働きを司る糸球体という組織が硬くなる病気のこと。糸球体に無数に存在する微細な血管が動脈硬化を起こし、血流不全によって腎硬化症を招きます。
糸球体の血管が動脈硬化を起こす主な原因は高血圧です。必要以上に強い圧力で血液が送り込まれるため、糸球体の血管内の細胞は、圧力に抵抗するために増殖。その結果、血管の通り道が狭くなって血流が悪化し、やがて腎硬化症へと至ります。
腎硬化症になると、腎機能が低下します。腎機能の低下が進行すれば、慢性腎不全になります。腎機能がほぼ働かなくなるまで慢性腎不全が進行すると、人工透析や腎移植を受けなければ生命を維持することができません。
なお、高血圧による動脈硬化は、当然ながら腎臓の糸球体のみで起こるものではありません。糸球体に動脈硬化が見られる患者は、すでに全身のいたるところに動脈硬化が生じているはずです。よって腎硬化症だけではなく、心筋梗塞や脳卒中などのリスクも同時に抱えていることになるので、血圧管理には十分に注意する必要があるでしょう。

症状

腎硬化症は、少なくとも初期の段階の場合、特段の自覚症状はありません。夜間頻尿やたんぱく尿などが見られる場合があるものの、陽性というほどのレベルでもありません。
ただし、そのまま放置して状態が悪化すると、食欲不振や嘔吐、吐き気、体重減少、眠気、痒みなど、慢性腎不全に似た症状を自覚することがあります。さらに放置していると動脈硬化が進行するため、脳梗塞や心筋梗塞などを合併するリスクが高くなります。
なお、腎硬化症には良性と悪性の2種類がありますが、一般に腎硬化症と言うときには良性を指しています。悪性の場合は、症状が急激に進行するため非常に危険です。ただちに強い降圧剤で血圧を下げない限り、ほとんどの患者は脳卒中や心不全で死亡します。
悪性腎硬化症の予兆には、頭痛やむかつき、視力低下、全身倦怠感など、重篤な高血圧患者に見られる症状が現れることがあります。日ごろから高血圧を指摘されている人は、医師の指導のもと、適切な血圧管理を維持するようにしてください。

検査内容

一般的な腎硬化症、すなわち良性腎硬化症は、尿検査や血液検査によって診断が可能です。高血圧であることを前提に軽度のたんぱく尿を認めた場合には、良性腎硬化症の疑いがあるでしょう。また、高血圧患者の血液検査において血中尿素窒素・クレアチニンの上昇が見られたリ、電解質異常が見られたりした場合にも、良性腎硬化症が疑われます。
良性腎硬化症が疑われた場合には、超音波やCTなどの画像検査を通じ、腎臓の状態を確認。両側の腎臓に萎縮が認められれば、腎生検(腎臓組織の一部を採取して検査)を通じ、腎硬化症の確定診断とします。
一方で悪性腎硬化症の場合は、高血圧による急激な腎機能悪化が認められるため、比較的診断が容易です。腎機能の急激な低下を確認した場合で、かつ眼底検査や心機能検査などで多臓器にわたる異常を認めた場合、高い確率で悪性腎硬化症が疑われます。

治療方法

良性腎硬化症の治療法は、主に血圧管理です。減塩(1日6g以下)などの食事療法や運動療法を行いながら、各患者に対応した適切な降圧剤の投与を行うことで、適正な血圧を維持するようにします。血圧管理における目標値は、上が130で下が80です。
悪性腎硬化症の治療法もまた、血圧管理が中心です。ただし、良性に比べると症状が急激かつ重度のため、一般には入院による安静が必要。入院し、食事療法はもとより薬物療法を通じ、血圧を目標値まで下げるようにします。内服薬による降圧効果が不十分な場合には、注射薬を用いた降圧治療を行うこともあります。
なお、良性・悪性を問わず症状が悪化して慢性腎不全を発症した場合、それぞれの病期に応じた治療が行われます。腎機能が10%以下まで下がってしまった患者については、人工透析や腎移植を検討しなければなりません。

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