腎臓病予防が期待できる注目成分・サプリ辞典 » 腎機能を守る食事のポイント » 献立作りのポイント

献立作りのポイント

ここでは、腎臓病に関する食事療法のポイントをまとめてます。

腎臓病での食事療法は注意すべき点が多くありますが、毎日の献立作りに役立つ知識をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

献立づくりの前に

冷凍できるものはまとめてストックしておきましょう

肉や魚などの冷凍が可能な食材は、最初にまとめてはかったあと小分けにしておき、冷蔵・冷凍保存しておきましょう。ご飯も同じように一度にまとめて炊いておき、小分けにして冷凍保存しておくと便利です。

食事療法は毎日続けることが大事ですが、ストレスを感じてしまうと心の健康によくありません。忙しい日でも無理なく続けられるように、食材は小分けにして常にストックしておくと毎日の献立作りが楽になります。

お菓子を常備しておきましょう

腎臓病食ではたんぱく質を制限するため、全体的にエネルギー不足になりやすい傾向があります。そのため、こまめにエネルギー補給ができるよう日頃からお菓子を常備しておきましょう。常備するお菓子はゼリーやシャーベットなど、なるべくたんぱく質が入っていないものがおすすめです。治療用のお菓子にはたんぱく質ゼロのものもあるので、その中から自分の好きなものを見つけておくといいでしょう。

献立の作り方

全体のバランスに気を付けましょう

まずは、食べたいもののレシピを確認しましょう。腎臓病の食事療法は、基本的には食べてはいけないものはありません。ですが、栄養バランスはしっかりと考えながら献立をたてることが大事です。

たとえば、腎臓病の食事療法には塩分制限があるため、下準備によくある野菜の塩ゆでなどは省いても問題ありません。なるべく余分な塩を摂取しないためにも、必要でないものは極力省きましょう。

食べたいレシピを確認したら、そこから主食や主菜を1日の制限内に収まるように分量を変えたり、食材の代替えが可能かを検討してみます。さらに野菜を加えて食べ応えをプラスしたり、カロリーが足りない場合は味付けを変えてみるのもいいでしょう。

腎臓病患者はたんぱく質が制限されるものの、まったくたんぱく質を摂ってはいけないというわけではありません。体の組織を作るためにも、ある程度のたんぱく質摂取はむしろ必要不可欠となります。

献立を立てるにあたりチェックしたいのが、

この3つを意識することです。

塩分やカリウムコントロールも入ってきますが、まずはこれらの項目が満たされているかをしっかりと確認しましょう。気に入った味付けや調理方法を見つけたらノートにメモしておき、自分なりのレシピをストックしておくと便利です。

食品の量を計算するときのポイント

食品成分表を活用しましょう

五訂増補食品成分表には、日常で口にする食材ほぼすべての栄養素が細かく記載されているので、正確に栄養価を計算することができます。たくさんの食品が記載されているため少々分厚いですが、よく使うご飯やお肉、お魚などの項目には付箋をつけておくと便利に使うことができるのでおすすめです。

食品成分表に記載している栄養素は基本的に“生”の状態で計算します。そのため、重量も“生”の状態ではかってください。例外的に、ご飯だけは炊きあがりの状態ではかります。記載名は「水稲めし」となります。

揚げ物をつくるときに計算する揚げ油の量は、油の「吸油率」というものに基づいて計算します。

目安となる吸収率は以下のとおりです。

これは、食品を100gあたりで換算したときの吸油率です。上記のように、食材を素上げしたときと、小麦粉や片栗粉をつけて上げたときの吸油率は異なります。

例外的に、茄子は素上げの状態でも12%ほどの吸油率となっています。油の吸収率は食材に含まれている水分量に置換されるため、水分の多い食材の方が油の吸収率が高まるというしくみです。

さらに吸油率は、食材の切り方によっても変わります。単純にいうと油に触れる表面積が多いほど、吸収する油の量は多くなります。 海老フライよりも、細かい食材が集まったかき揚げのほうが表面積が広いため、吸油率はかき揚げの方が上がります。この例でいくと、一枚のとんかつを揚げてあとからカットするよりも、ひとくちのヒレかつを複数枚揚げたほうが全体で油を多く吸収しているといえます。

このように、揚げ方を工夫することでカロリーを多く摂取するができるので、エネルギーのバランスをとるときはぜひ参考にしてみてください。

生野菜は食べられない?

腎臓病での食事療法では、ナトリウムとカリウムを制限される場合があります。生野菜にはカリウムが多く含まれているので食べるときには要注意。しかし、決して食べていけないわけではありません。生野菜に含まれるカリウムは水に溶けやすいので、小さめにカットし、水にさらすだけでもカリウム摂取を抑えられます。そうした下処理を行なえば、生野菜であっても100g程度であれば食べても問題ないでしょう。ゆでこぼしであればさらにカリウムを抑えることができるのでおすすめです。例外として、じゃがいもやほうれん草はゆでてもカリウムが流れにくいため、食べ過ぎないようにしましょう。

ここで知っておきたいのが、カリウムは野菜や果物だけでなく、ご飯や肉などあらゆる食品に含まれているということです。大事なのは、制限対象の食品を徹底的に控えることではなく、全体のバランスを見ることです。生野菜を取り入れても問題がないか、献立のバランスを見ながら判断してくださいね。

塩分を控えるコツ

腎臓病患者の塩分摂取量の目安は、進行具合にもよりますが概ね1日6g未満といわれています。塩の主成分は塩化ナトリウムというもので、過剰に摂取しすぎると腎臓に負担をかけてしまいます。ナトリウムとカリウムは、体内で相互作用を持つため、どちらもコントロールする必要があります。

塩辛いものを食べたとき、水を飲みたくなりますよね。過剰に塩分を摂取すると、ナトリウム濃度を薄めようとして水分を体に溜め込みます。結果、高血圧やむくみの原因となり、毛細血管に負担がかかってしまいます。毛細血管の集合体である腎臓も大きなダメージを受けてしまうため、過剰な塩分摂取は控える必要があるのです。

では1日の塩分量を抑えるために、食べ物の食塩相当量をナトリウム量から算出する方法を紹介します。以下の計算式にあてはめて算出します。

例として、カレールウの塩分量を算出してみましょう。

食品成分表によると、カレールウは100gあたり4200mgのナトリウムを含みます。計算式にあてはめてみると、4200(mg)×2.54=10,668。そこからさらに10,668を1000で割ります。

カレールウの100gあたりの食塩相当は10.668g、つまり約10.7gとなります。食品成分表には換算後の塩分が記載してあるのでそのまま流用してもいいですが、ナトリウムで計算するとより正確な数値を割り出せます。それでは、具体的にどのようにして塩分を控えればいいのでしょうか。

たれやソースは別皿に

塩分を控える方法として挙げられるのが、おかずのソースやたれは調理中に混ぜるのではなく、別皿に分けておくことです。

いちどに混ぜてしまうよりも、調味料を少量ずつつけて食べるほうが塩味を感じやすくなります。また、少量ずつつけることで量を調節しやすいというメリットもあります。

個包装のしょうゆを利用する

もうひとつは、個包装になったしょうゆやソースを活用することです。

外出先などでご飯を食べるときも持ち運べて便利でしょう。疾患用であれば0.5gから個包装になったものもありますので、病院などに問合せてみるのをおすすめします。またはネットでも購入可能です。

ハーブやスパイスを使って香りをプラス

ハーブやスパイスを活用して香りを豊かにすることもおいしく食べるコツです。

味の基本は塩味のほかにも甘みやうま味、酸味や苦味などがあり、5つの味覚を組み合わせることでより深みのある味わいを感じられます。たとえば、お酢を使って酸味を効かせたり、スパイスを上手に取り入れて香りを豊かにすることもおすすめです。控えめの塩でもおいしく食べられますよ。

こしょうやレモン、唐辛子などは味のアクセントになりますし、腎臓への負担も少ないのでおおいに活用してみましょう。

調味料表示に注意!

献立にかかせない調味料の選び方も一緒にチェックしていきましょう。

「減塩」商品を選ぼう

最近ではスーパーなどでも減塩タイプの調味料をよく見かけるようになりました。どれを選べばいいの?と悩む方もいるかもしれません。ここで注意してほしいのは、「減塩」としっかり表示された商品を選ぶことです。厚労省の方針として医学的に塩分(ナトリウム)が50%以下に抑えられたものしか「減塩」と明記できないと決められています。たとえば「塩分ひかえめ」などは、50%カットできていない場合に使われる表記なので、選ぶときは「減塩」と表示されているものを選びましょう。

「無塩」には注意!

「無塩塩」や「無塩しょうゆ」などが販売されていますが、これは塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウムが使われている可能性があるのでなるべく使わないようにしておきましょう。カリウム摂取は単純に高血圧の人であれば有効ですが、カリウム制限がある腎疾患の方には負担となるので、控えた方が無難です。無塩や控えめなど、まぎらわしい表記がいくつかありますが、これらの基準はしっかりと覚えておくと買い物をするときに便利です。

無理のない範囲から栄養バランスを整えよう

食材をはかったり、成分表を見て計算していくことは最初は少し大変に感じるかもしれません。ですが、慣れてしまえば決して難しいことではありません。最初からすべて完璧にこなそうと無理をするよりは、できるところから少しずつ取り組んでいきましょう。

食事はわたしたち人間にとって単なる栄養補給にとどまらず、食べる「楽しみ」や「喜び」を与えてくれます。食事療法を行なっている人にとってもそれは同じです。我慢や制限のストレスで食べる楽しみを失ってしまうことは何より辛いことでしょう。

食事療法を無理なく続けるためにも、今回紹介したポイントをぜひ参考にして日々の生活に役立ててください。

慢性腎臓病のための予防栄養学ガイド 腎臓を守る・助ける成分・サプリ・食事術